September 11, 2002
ナンバー2の対決 - Intel Pentium4 2.6GHz vs. AMD Athlon XP 2600+ -
はじめに
デスクトップPC分野で,インテルはPentium4 2.8GHzを既に発売し,AMDはThoroughbredコアのAthlon XP 2800+を今秋には発売するだろう。ところが,各社のフラッグシップCPUには,今までの経験によると何らかの無理が見られる。Athlon XP 2800+は未発売なので,よく解らないが,例えば,Pntium4 2.8GHzのコア電圧はすべてのNorthwoodコアCPUが公称1.500Vであったのに対して1.525Vとやや高くなっている。この25mV,1.500Vに対して約1.7%はごく僅かな数字である。しかし,この僅かなマージンすらも確保できないCPUなのだとの考えもあるだろう。
そこで,今回はフラッグシップのすぐ下位のCPU,Pentium4 2.6GHz (FSB: 133MHz, 20X = 2.666GHz)とAthlon XP 2600+ (FSB: 133MHz, 16X = 2.133GHz)を取り上げてテストしてみた。なお,Athlon XP 2600+ は日本のショップでは一般には入手困難で,今回テストしたものは,知人が台湾で買い求めたもの(どうもどこかのセットメーカーから流出したエンジニアリングサンプルらしい)を短期間借用したものである。そのため,オーバークロックなどは一切行わなかった。周知のとおり,Athlon XP 2600+は0.13ミクロンプロセスから生まれたCPUである。しかし,0.13ミクロンプロセスCPUのThoroughbred Athlonの発熱量は低くなっているが,ダイサイズは少なくとも外観だけからは小さくはなっていないようである。このCPUは,AMD Athlon XPをサポートしているマザーボードでは,問題なく動作する。しかし,起動時にCPUを正しく認識させるためには,その旨記載のある新BIOSにアップグレードしなければならない。
テストセットアップ
これら二つのCPUのテストはつぎの環境で行った。
|   | Pentium4 2.6/2.53BGHz | Athlon XP 2600+/2400+ |
| マザーボード | Asus P4TE | Gigabyte GA-7VRXP |
| メモリー | PC-1066 RDRAM 512MB | PC-333 DDR SDRAM 512NB |
| 起動ハードディスク | Seagate ST320420A | Seagate ST340016A |
| グラフィックスカード | NVIDIA Geforce 4 Ti 4600 128MB DDR SDRAM |
| OS | Windows 2000 Professional SP-3/DirectX 8.1 |
| ベンチマーク | Sandra 2002 SE |
| SPECviewperf 7.0 |
| 3Dmark 2001 |
テスト結果
Sandra 2002 SE
このCPUテスト結果は,FPUパフォーマンスはほぼ実際のコアクロックに比例して向上しているが,ALUパフォーマンスはAthlon XPが大きくリードしていることを示している。この特性は,後述するアプリケーションベンチマークに影響を与える。
マルティメディアベンチマークを見る限りAMDのP-ratingは妥当か,やや控えめに思える。Athlon XPはCPUベンチマークのFPUパフォーマンスではコアクロックの高いPentium4に及ばなかったが,この分野のFloating Point演算では大幅なリードを見せる。
メモリーテストでは,RDRAMプラット不フォームのPentium4が断然速い。
ついでながら,この差はVIAチップセットによるものと思われ,同じPC-330 DDR SDRAMプラットフォームでもインテル系チップセットi845D/G(もちろん,Ahlonはサポートされない)ではもっと良い結果が得られる。VIAチップセットはPentium4サポートバージョンでもDDR SDRAMは良いパフォーマンスを出さないので,チップセットの設計上の問題が共通に潜在しているのかもしれない。いずれ解決される問題とは思うが…。
また,現在では唯一のAthlonデュアルチャネルDDR SDRAMをサポートしたnVIDIAのnForceチップセットではより良い結果が得られる。しかし,このチップセットマザーボードは3本のDDR SDRAMスロットをサポートしている物が多く,マザーボードメーカーのマニュアル記載どおり2スロットだけを使い,しかもまったく同じRAMモジュールを使わないと,良い結果がでない。なお,3本のメモリースロットをすべて使うと,何故か,デュアルチャネル機能はキャンセルされてしまう。
SPECviewperf 7.0
従来このサイトでは,この種のベンチマーク結果を一覧表示してきたが,少し分かりにくいところがあるので,今回は内容によって分類してみた。
ゲームなどに多い表面処理系モジュールが大半をしめるベンチマークをまとめたのが上のグラフである。この結果は,表面処理が多いほど整数演算に強いAthlonが良い結果を出すことを示している。
しかし,このベンチマークの中で3dsmax-01には,最初のテストJugglerの内表面処理の4モジュールを正しく実行できない問題がある。これは。プラットフォームやグラフィックスカードに依存しないのでベンチマーク自体の問題かと思われるが,原因ははっきりしない。light-05のパフォーマンス差がdx-07に比べて小さいのは,light-05の座標計算がdx-07に比べて複雑なためであろう。
座標計算系モジュールがほとんど占めるこれらのベンチマーク結果は,基本的には単純に浮動小数点演算パフォーマンスに依存する。ただ,非常に重いugs-01はサブモジュール(これ自体が既に重いが)に関する座標計算を実行した後,これをコピーして全体を構成するアルゴリズムになっているらしくAthlonも互角なパフォーマンスを見せる。
3Dmak 2001
このベンチマークはDirectX 8.0/8.1環境が整っていることを前提に動作する。加えて,Pentium4のSSE2命令に最適化されているらしく,3Dnow/+のAthlonがどこまでのパフォーマンスを示すのか興味があった。しかし,この結果を見る限り,高々10%でそんなに差異はないといえる。コアクロックとメモリーパフォーマンス差から見て,こんなものだろうと予測できる範囲内であろう。グラフでは大差に見えるが,これはグラフ自体のバイアスが大きいためである。
なお,従来このベンチマークについてはすべてのテスト結果を掲載してきたが,グラフィックスカードに100%依存するものもあり,あまり意味はないと考えられるので,今回はTotal Pointのみにとどめた。
おわりに
他の仕事が大変忙しく,このサイトの更新もしばらく途絶えてしまいました。今後機を見て更新したいと思っています。
今回は,トップパフォーマンスCPUよりNo. 2 CPUの方がコスト・パフォーマンス比は断然いいことを主題にするつもりが,少し話題がそれてしまったようだ。ちなみに今回テストしたCPUの価格(予測値含む)は,概ねつぎの通りでる。
| CPU | 価格(予測値含む)(¥) |
| Athlon XP 2400+ | 22,600 |
| Athlon XP 2600+ | 34,700 |
| Athlon XP 2800+(参考) | 49,000 |
| Pentium4 2.53BHz | 28,400 |
| Pentium4 2.6BHz | 46,900 |
| Pentium4 2.8BHz(参考) | 59,400 |
これを見ると,フラッグシップCPUはパフォ−マンスに対して割高だといえるだろう。インテルとAMDのパフォーマンス競争はこれからも続くと予測される。2,3ヶ月経てば必ず新しいフラグシップCPUが現れので,(見栄を含めて)特に必要がない限りNo.2 CPUベースのシステムを狙うことをお勧めしたい。
これもこの話題としては余談であるが,現在もっともコスト・パフォーマンス比の良いCPUはPentium4 2.4AGHz (100MHz FSB 24倍速)であろう。このCPUはマザーボードをでFSBが手動設定可能であれば,133MHz FSBすなわちコアクロック3.2GHzで安定に動作する。さらに,PC-1066 RDRAMを使って現在では最速のシステムが得られる。
(Created on Sept. 9, 2002)
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